七五三は、子供のすこやかな成長を願う儀式です。今のように医療が発達していなかった時代、子供のときに亡くなってしまうこともありました。そこで神社やお寺などで成長を願う祈願をして、無事に大きくなったことをお祝いするものです。
三歳のときは、もう赤ん坊ではなく、剃っていた髪の毛を伸ばすという意味で、男の子、女の子共に祝います。五歳のお祝いは袴着で男の子が初めて袴をつけることに由来します。七歳は女の子の帯と着の儀式に由来し、もう帯を付けるということからお祝いをしました。
現在の七五三は、三歳が男女両方、五歳は男の子が、七歳は女の子がそれぞれにお祝いをする風習が七五三となって根づいています。
この大切な七五三、特に女の子は着物を着て特別なお祝いをしてみませんか。
三歳のお祝い(地方によっては数え年で行うところもあります)は、女の子の着物の装いとしては、帯は結ばずに、晴れ着に兵児帯を結んで、被布という袖なしの上着を羽織るのが一般的で、百日のお宮参りの着物を仕立て直して着ることも多いようです。
着付け方は、まず長襦袢の背を中心にあわせます。背中の縫い目が真ん中に来るようにします。
次に向かって左柄、お子様の右側から巻き付け、それから向かって右側も合わせて巻き付けていきます。この時、襟の重なる点が中心からずれないようにし、襟が下へ間延びした形にならないように襟をきちんと決めて下さい。
襟が決まったらしっかりと腰紐を締めて固定します。この時、紐の結び目は前中心を避けて脇か後ろに盛っていきます。紐を結んで余った部分はしっかりと結んだ腰ひもに巻き付けて余った部分はたらさないようにして下さい。これで長襦袢の着付けができました。
次は、いよいよ着物の着付けになります。背中心を真ん中に決めて、背中の縫い目を真ん中に合わせていくようにします。この時、着物は長襦袢より上に出ないようにして下さい。
前袷ですが、長襦袢の時と同じように向かって左側、お子様の右側から巻き付けていきます。この時、お子様は裾を踏みやすいので、裾は床に当たらないように気をつけます。ですが、足首や長襦袢は見えないように気をつけて下さい。裾は少し右上がりにしていきます。
反対側も巻き付けて腰紐でしっかりと固定します。ここで腰紐の調整をします。余った部分は、腰紐の中に入れて垂れないようにします。
それから、背中に回って腰紐に挟みこまれた部分を引き出して整えていきます。
同じように前側も腰紐に挟まれた部分を引き出して整えていきます。
着物についている2本の紐を襟に気をつけながらひっぱり、後ろで交差させて結びます。
そして、被布を着せて着付けが完成です。
ヘアもリボンや花の飾りを使って、かわいらしくしていくといいですね。
七歳の女の子の着付けですが、大人の着物の着付けになってきます。ヘアアレンジも本格的に結いあげていくようになります。
肌襦袢を着せてタオルなどで補正します。そのあとは、大人の着付けと一緒のやり方で着物を合わせて紐で苦しくないように調整していきます。
ただ、帯結びですが、袋帯になりますので少し難しくなるかと思います。
帯の結び方ですが、まず、しごきの幅を四つ折りに整えてから、中心を洗濯バサミで留めておきます。次に、しごきの中心を左腰に当ててから、もうひとつ洗濯バサミで帯に留めます。それから体に帯をひとまきしてから手元に戻ると、左右の長さが同じになります。
ここでさらに帯をひと結びします。帯を結ぶ位置は、上のほうでしっかりと結んでおくと、下がりにくくなります。
そうして帯を結びあげると、着付けの出来上がりです。
現在はほとんどが作り帯で簡単に着つけられるものも多いので、そういった帯を使用されるのも、よいかもしれません。
七五三というお子様のお祝いの日はやはり、親御さんにとっても、お子様にとっても特別な日です。七五三のお祝いに着物を着て記念撮影をすると、よい思い出になりますよ。