付下げとは、未婚既婚を問わずに着用できる着物で、準礼装に近く訪問着とほぼ同格とされています。紋を入れると格が上がり、街着としてはふさわしくなくなりますので、ご友人の結婚式や披露宴、パーティ、クラス会、観劇、お茶会、他家への訪問などの正式な場や少し改まった場所へ出かける際に着用します。お子様の入学式や卒業式の付き添いにもよいですね。
また、柄付けが簡単なものは重たい印象もなく街着としても着ることができますよ。
付下げは反物の状態で、着た時に模様がすべて上を向くように描いたものをいいます。付下げと訪問着の見た目は非常に似ています。もともとは裁ち目に柄が渡らない付下げの方が訪問着よりも簡単なものだとされていましたが、現在ではどちらにもほとんど差はありません。
付下げの柄付けに付下げ小紋というものがあります。これは、小紋柄を染め上げたもので、小紋と付下げが合体したようなものです。格は小紋と同格になりますので、どちらかというとカジュアル寄りな着方をする着物になります。
また、上前の「おくみ線」で柄をつなげた着物を、付下げ訪問着といいます。こちらは訪問着に近い位置づけの着物です。
柄や帯によって幅広いシーンで着ることができるのが付下げの魅力です。いろいろなコーディネートを楽しみましょう。