子供のお祝いには主に、お宮詣り、七五三詣り、十三詣りがあります。
まず、お宮詣りについてお話しします。宮詣りは、日本の伝統行事のひとつで、赤ちゃんが氏神様にはじめて参拝する行事です。一般的に男児は生後31日目、女児は生後33日目ですが、地方によって若干異なります。その際、抱かれた赤ちゃんの上からかけられる一つ身の晴れ着が初着です。祝着ともいわれます。男児は、五つ紋付きの熨斗目文様で、黒地、藍色、濃紺地などの羽二重をよく用います。女児は縮緬加工の施されたもや、紋綸子羽二重の絵羽のものをよく用います。
次に七五三についてです。一般的に男児は三才と五才。女児は三才と七才にお祝いの儀式をします。三才の女児は、この時から髪を結いあげる女の子のお祝いといわれてます。着物については正絹、化繊のどちらの場合も、一般的には友禅のような、赤地、白地、橙地などさまざまな色地に花模様や有識模様、または、かわいい手毬や羽子板などの模様を染め付けたものが多いです。他には、紋縮緬を色無地染めにし、刺繍のみで施されていたり、金箔を散らしたものもあります。五才の男児は、着物は熨斗目模様、羽織は着物と同じ熨斗目もしくは、黒の紋付きがよく見られます。袴は縞模様が主流でしたが、近年は様々な柄のものがあるようです。七才になった女児はこの年齢でのお祝いは、帯解きの儀といわれており、着物の付紐を取り、帯を締めます。この時から、本裁ちの着物を使用します。とはいっても、成人のものをそのまま着用はできませんので、肩あげ、腰あげをし、小さな振袖のような感じにして着用します。着物も三才に比べると、絵羽模様も多くなり、友禅着尺も好まれます。白、黒、緑、朱、紫、青など、色も豊富で、柄についても貝桶、菊、重ね菊、鶴、熨斗目など、古典味豊かな模様ともに、箔押しの模様など、豊富です。絵羽模様の場合、紋綸子生地に総縫い刺繍模様まであり、とても豪華です。帯は三才の時は作り帯を使用しますが、七才は丸帯を変わり結びするほうが適しております。しかし近年は作り帯の使用が多く見られます。胸に、はこせこをはさみ、房のついている扇子を持ち、帯揚げ、帯締めを締め、しごきを腰に巻きます。
また、十三詣りについてですが、十三才になった男女児が、福徳・知恵・音声を授かるためにお詣りする行事のことをいわれています。十三詣り用の着物に決まりはありませんが、礼装がふさわしいでしょう。着物を着用するなら、大人と同じ、本裁ちのものを肩あげをして着用します。