小紋とは、文字の通り、小さい文様とう意味合いがあり、染め柄からつけられたものですが、文様の大小に関わらず、型染め手描き着尺のものを総称して小紋と使われています。小紋の着物は大きく二つに分けれらます。『江戸小紋』『友禅小紋』です。『江戸小紋』とは、鮫小紋に代表されるように繊細な型小紋が特徴で、江戸時代各藩の定紋として裃に使用されていたものです。一方『友禅小紋』は『京小紋』ともいわれ、多彩な感覚と色彩が特徴で、模様は大小に関わらず、柄も古典調御所解模様や小花散らし、幾何学模様、紅型、更紗、モダンな柄など、バラエティーにとんだ感覚で作られています。今では手描き型染めの着尺を総称して小紋と呼ばれています。小紋は気軽に着るお洒落着で、友人とのパーティーや食事会、観劇、お稽古など幅広い用途で使用されています。合わせる帯は名古屋帯やおしゃれ袋帯が主流です。
小紋の柄や模様の例を紹介いたします。
元禄模様・・元禄時代に流行した着物のことをいい、華やかで繊細な絵画風の自由な模様が特徴です。
慶長模様・・慶長時代の上層支配階級婦人たちの着物の文様をいい、着物全体に文様をうずめ、刺繍、すり箔、めい箔、絞りで飾った豪華なものです。
吉祥文様・・鳳、雲鶴、鶴、亀、蝶、菊、牡丹など、縁起の良い柄で幸福のしるしです。
有職文様・・鳳、雲鶴、立涌、幸菱、亀甲など、古典的で伝統的な柄をいいます。
御所解・・山水、草花、御所車、流水、松、竹、梅、菊など、古典的で上品な日本風な柄をいいます。尾形光琳(1658~1716年)が、小菊、萩、藤、桔梗、梅、菊、流水、波など、日本的なものを取り入れたことにより、現代的な柄になったそうです。