■京友禅
着物を代表する言葉ともいえます。京友禅といえば、現在では京都で染められた友禅模様の着物全般を表す言葉となっています。もともと友禅染めの着物より、広く使われています。この京友禅を大きく分けると、型友禅・手描き友禅・機械捺染友禅に分けられます。それぞれが、色々な特徴を持ち、その美しさは魅力的です。
■加賀友禅
加賀友禅は、金沢で作られる手描き友禅を京友禅と並び称し、加賀友禅といいます。加賀友禅の特徴は、多彩色で、絵画調の模様にあるといわれています。特に、加賀の五彩とも呼ばれている色調があり、エンジ色、藍色、黄土色、緑色、墨色(黒色)の五色を基本の色として組み合わせ、濃淡の模様染めとなります。昔、京都に住んでいた、宮崎友禅斎が加賀に移り住み、当時、加賀でお国染めまたは、加賀染めと呼ばれていた染色方法を完成してできたものともいわれています。他に、模様部分の、外側から内側にかけてのぼかしや、虫喰い(虫が草などを食べた模様)の模様の表現も、この加賀友禅の特徴です。糸目の美しさも有名です。
■江戸小紋
江戸小紋とは、1600年ころの江戸時代から発達した、古典的な型染めの小紋柄のことをいいます。江戸小紋の特徴は、文様が小さく、単純な並びであり、色は一色染めの渋い色が多く、遠くから見ると、一見無地のようにも見えます。非常に細かい技術から生まれているものです。そもそも小紋という言葉は、大紋・中形に対する呼び方で、小さい紋、模様を表しています。江戸小紋という名称そのものは、他の小紋と区別するために、つけられたものだそうです。現在は、この江戸小紋に加え、東京で染められている、小紋柄を総称し、「東京染小紋」といわれています。