『ひ』
■桧垣模様(ひがきもよう)・・・ヒノキの薄板をあじろのように斜めに編んだ垣根を模様にした古典調の模様。一般的に着物、帯などの柄に広く用いられている。
■疋・匹(ひき)・・・反物二反分の長さのもののこと。羽織と着物を対に着る場合に用います。男性用のウールや大島紬に多く、アンサンブル用の反物ともいえます。
■引返し(ひきかえし)・・・表と同じ生地を使用した裏生地のこと。共八掛。
■菱模様(ひしもよう)・・・菱の形をした模様のこと。幸菱、武田菱、松川菱、花菱などがあり、古典的な模様で紋所にも用いられます。また、線だけではなく線の中にいろいろと違った模様を入れて用いられることも多いです。菱はもともと、ヒシ科の多年草、池や沼に生えているひし形の葉の植物。
■毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)・・・毘沙門とは四天王のひとつ。鎧兜をつけ、矛を持ち仏法を守る七福神のひとつ。毘沙門亀甲は祝儀の際の着物の地紋に用いられる。
■疋田絞り(ひったしぼり)・・・絞り染めの一つ。四角形の鹿の子模様。
■単衣(ひとえ)・・・長着、羽織、長襦袢など裏をつけない一重の着物のことを総称して呼びます。季節の変化に合わせ、着物のおしゃれを楽しむもので、生地、文様、色柄、帯との調和など、多様な要素をまとめた趣味の感覚を装うことができる着物。季節感を楽しむのにピッタリの着物です。
■単帯(ひとえおび)・・・裏生地や芯を用いないで締める帯のこと。博多帯、綴帯、夏帯としての絽、紗、羅など民芸的な紬風の単帯もあります。
■単衣羽織(ひとえばおり)・・・主に絽や紗を使用するので夏羽織として用います。薄物ともいい、夏の羽織のため涼を呼ぶような柄、地色を選ぶとよいでしょう。
■一越縮緬(ひとこしちりめん)・・・シボが小さく縮緬の代表的な生地。二越、三越、四越と越が増えるごとにシボが大きくなる。
■一つ紋(ひとつ紋)・・・紋所の付け方の一つ。背の中央の縫い目にまたがって、一つだけつける紋。背紋ともいい、略式の格式張らない時に着る長着や羽織につけます。
■日向紋(ひなたもん)・・・表紋ともいいます。地を白く染め抜いたところに置かれる紋所。
■被布(ひふ)・・・着物の上に羽織代わりに着るコートの一種。錦の組紐で前を留めてあり、江戸時代にできたものです。
■比翼仕立て(ひよくじたて)・・・着物の仕立て方の一種。一枚の着物に袖口、振、衿、裾の部分が二枚の着物を重ねたように仕立てること。人形仕立てとも言います。
■平打ち(ひらうち)・・・羽織の紐や帯締めの組紐の種類で糸を薄く平たく組んだもの。
■平織(ひらおり)・・・普通の平地の織物。縦糸と横糸を一本おきに交らせる織り方。
■広衿(ひろえり)・・・普通の衿幅の二倍ある広い衿のこと。着るときは上部を半分に折り、下の方はそのまま斜めに折って着る。
■氷割(ひわれ)・・・氷が割れた時のような模様。
■紅型(びんがた)・・・沖縄県那覇市を中心にして生産されている。多色使いと強烈な色彩使いが多い南国的な染め物。