■衿元
着物からちらりと見え、着物の美しさを引き立てる衿元。着物や帯と調和の取れた色柄を選びます。
着物の襟に汚れが付くのを防ぐために、長襦袢につけたのが半衿です。着物の色柄を強調して襟元を引き締める効果があります。半衿の基本は白ですが、色や刺繍のついた半衿もあります。色半衿は地味な着物を半衿に見せるので紬や木綿によく合います。刺繍半衿は留袖には白地に白糸や金糸銀糸で刺繍したものなど、着物に合わせて楽しめます。素材は塩瀬羽二重が一般的ですが、単衣の着物には堅しぼ、絽綸子、絽の着物には絽というように、季節によって変化します。
【伊達衿】
重ね着の週間の名残で、留袖の「比翼」をさらに簡略化したのが伊達衿です。着物の衿に重ねて用い、まるで重ね着をしているように、華やかに衿元を演出します。振袖、訪問着、付下げ、色無地などの礼装用に合わせるのが基本で、無地の他に、地紋のあるものや、刺繍、ぼかし、ラメ入り、金糸銀糸を使用したものなど、多くの種類があります。素材は、綸子や塩瀬、縮緬のものが一般的です。