■立ち方
背筋を伸ばして、少し顎を引きます。猫背になったり、おなかが出ないように注意しましょう。左右の膝を合わせて、内股気味にします。つま先は片側を引いておくと、立ち姿が美しくバランスがとれます。
■歩き方
大股で歩くと裾が捲れて品がないだけでなく、着崩れの原因になります。そのため、歩き方は非常に重要です。洋服の時よりも小さい歩幅で、少し内股気味に歩きます。上前に右手を軽く添えるときれいに見えます。
■会談の昇り方
上前を軽く右手で持ち上げて、つま先に重心をかけて昇ります。片方の足を段にかけた時に、後の足が下の段に残っていたらふくらはぎが見えてしまい不格好ですので、片方の足を段にかけたら、後の足のかかとも少し上げるようにしましょう。
■下にあるものを取るとき
立ったままで腰を曲げてものを取るのは美しくない上に着崩れの原因にもなります。取りたいものの真横に立ち、ゆっくりと腰を落としましょう。上前が床や地面につかないように必ず上前を押さえ、左手を伸ばしてものを取ります。
■手をあげるとき
高いところにあるものを取ったり、つり革や手すりにつかまる時など、手をあげる場面があります。その時に、袖が下がって二の腕が見えてしまっては美しくありません。必ず反対側の手で、袖口を軽く押さえましょう。高い場所以外にも、近くのものを取るときにも袖口に手を添えると美しいです。
■車の乗り方
車に頭から乗り込んだり、片足をかけて乗るのはマナー違反です。見た目にも見苦しく、着崩れの原因にもなります。正しい乗り方を知っておきましょう。まず、頭を低くして車外からシートに腰かけます。そして、おしりを軸にして、両足を揃えたまま片田を回して中に入ります。降りるときは逆の手順で、車外に足を出してから体を外に出します。振袖の場合は、左右のたもとを左手に持ち、左手を高く上げてからおしりを下ろします。車に乗ってからは、帯が崩れないように浅く腰掛けましょう。
■椅子の座り方
右手と上前を軽く持ち上げ、左手でおしりの下から膝の裏にかけて軽くなでるようにして着席します。帯をつぶさないように、背もたれによりかからないように腰掛けましょう。背筋を伸ばして両膝を付け、草履のつま先は内股気味で座りましょう。
■座布団の座り方
立ったまま座布団の上に乗るのはマナー違反。まずは、布団の後ろに両足を揃えて立ち、両手で上前をなでながらゆっくりと腰を落とします。右ひざが座布団についたら左ひざもつけ、両手を前の方について体を進めます。左右の親指を交互に重ねると、しびれ防止になります。
■トイレに入るとき
着物の裾を上前、下前の順に後ろ側まで大きくまくります。裾が落ちないように、裾を帯にはさみます。長襦袢、裾除けも同じようにします。出るときは、後ろ側のおはしょりや帯のたれが捲れあがっていないかチェックしましょう。
■扇子の差し方
扇子は左胸の下の帯と着物の間に、扇面を前にして差します。左半身の真ん中より少し脇よりに差すと、見た目も美しいです。礼装用の扇子は主に、挨拶用なのであおいではいけません。礼装用の扇子とあおぐための扇子は別物です。
■手提げを持つとき
着物の時は、荷物が少ない方が美しく見えますが、現代生活ではそうもいかない時もあります。そんな時は、荷物を二つに分けるなどして、バランスよく持てるように工夫しましょう。
■風呂敷包みを持つとき
風呂敷包みは、ばっづと同じ左手で持つと美しく見えます。ひじから左腕を折り、親指を内側に折って親指以外の指を揃え、その間に風呂敷包みを乗せます。帯の高さくらいの位置で抱えるように持つと美しいです。
■お議事の仕方
浅いお辞儀は腰を45度くらいまで曲げ、手が両脇から自然に前に来るように。深いお辞儀は、腰を90度近くまで曲げ、手先はひざがしらにつくくらいにします。どちらも体を曲げるときは、頭だけを落とさず、背筋をまっすぐに伸ばしてから腰を折り、体を起こすときは、頭だけが残らないように気をつけましょう。