■腰紐
着付けをする上で色々な小物が必要になってきます。その中でも美しい着物姿に欠かせないのが腰紐です。腰紐の結び方で着付けの出来栄えも変わってくるほど、重要な小物です。流行があるものでも、高価なものでもありませんので、よいものを持っておきたいですね。良い腰紐とはどういうものかと言うと、幅約5cm、長さ約1.2m程度のものでしっかりしたもの、中に芯が入っていないもの、よく締り緩みにくいものです。また、濃い色の腰紐は汗などで色落ちしてしまうことがあるので、白やピンクのものの方がよいでしょう。
■伊達締め
伊達締めとは長襦袢や着物の胴回りを、腰紐を締めた上からさらに巻き、帯の位置を決めたり、おはしょりを整えたり、胴回りをすっきりと見せる役割があります。そのため、すべりにくい布地でゴワゴワしないもの、吸湿性があり、腰紐同様に色落ちしにくいものを選ぶとよいでしょう。素材は博多織、絹無地、絞り、小紋、化繊、ゴム地などがあります。見えない部分ではありますが、隠れた部分こそ素敵なものを選び、おしゃれを楽しみたいものです。
伊達締めの位置はおのずと帯の位置を決めるので、若い女性はバストの下、胸高に締め、年配の方はウエストにゆるやかに締めましょう。伊達締めの下の線からおはしょりの舟底まで約10~12cmのおはしょりを作ると帯を締めた時にきれいに仕上がります。
■帯板
帯板は帯を締めた時に、帯にシワが入るのを防ぎ、胴回りを平たんにすっきりとさせるものです。晴れ着はもちろんのこと、街着にも必ず使用します。また、体の前につけるので前板とも呼び、代わり結びをするときには体の後ろに使う後ろ帯として使うこともあります。帯結びをするときは、体に二巻きしますが最初の一巻きの部分に帯板を入れます。この時に帯板が帯の下からはみ出ないように、二つ折りにした帯の「わ」の中に入れます。帯板の大きさは幅約14cm、長さ約40cmのものが使いやすいですが、帯の脇にシワが出るようでしたらそれよりも長めのものを使います。ベルト付きの前板は、自分で着付けるお太鼓結びなどで帯を結ぶ途中に帯板を入れる手間がないので楽に着付けができます。使う時にはゴムの長さを胴回りに合わせて調節し、着物に締めた伊達締めの上につけるだけで非常に簡単です。
■帯枕
帯枕は太鼓結びが考案されてから使われ始めた小物で、帯の丸みを出すために利用され始めたと言われています。今では太鼓結びが一般的になっていますので、和装小物の一つに必ず入っています。帯枕にもいろいろな種類があり、背骨への負担があるもの、背や帯に沿わないものがあるので、一番よいのは綿の入ったものです。市販されているものには帯枕だけのものや紐がついているものなどがありますが、使いやすいのはガーゼをかけたもののようです。ガーゼは自分で付け替えることもできますので、お手持ちの帯枕にガーゼがついていない場合は、つけてみるのもよいですね。
■便利グッズ
きものベルトは腰紐の代わりに使い、胸を圧迫せず両衿を後ろからゴムで引っ張るので衿元が崩れないという便利なアイテムです。最近では和装小物としても定着してきています。使う時は、着付ける前に自分の肩幅に合わせてベルトを調節しておきます。
止めがねは帯を結ぶときに、帯を体に二巻きして後ろで手先とタレ側を結んだり、ねじったりしますが、慣れていない方は止めがねで帯を挟んで止めることができます。また、太ってしまって帯の長さが足りなくなった時にも使えます。金属製のものは錆びたり帯を傷めることがあるので、布で包製したものがよいでしょう。