紬とは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から糸を取り出して、よりをかけて仕上げた丈夫な糸で織った着物のことです。紬は織物の中でも特に渋く、深い味わいを持つ着物です。着物通の人に非常に好まれ、世界一綿密な着物とも言われています。最近は、普段着としてではなく、おしゃれ着としても注目されています。
紬はぱりっとしていてとても着やすい着物です。きっちり着るというよりは、ラフにざっくりと着る方がよいですね。ですので、着付けに慣れていない初心者の方でも、ラフさが「味」に見えるというメリットがあります。はじめは、ごわごわと固い生地のように感じますが、着るほどに柔らかい着心地になってきます。
紬は大きく3種類に分けられます。
■結城紬・大島紬
最高級品とされる紬の着物。制作に1年かかると言われており、非常に高価な着物のため若い人が着ることは少ないです。古典的な幾何学模様や伝統的な模様が多く制作されています。
■米沢紬・上田紬・郡上紬・塩沢紬など
カジュアルな着物で、格子柄や縞模様など普段着として楽しめるのが特徴です。
■色無地の紬
一色で染めた生地に一つ紋を入れたもののことを言います。もともとは着物を極め熟知している年配の方の着用が多かったようですが、最近は初心者でも着こなしやすいということから人気が出ています。