染めの種類について・その2「藍染・ローケツ染・鹿の子絞り・草木染」

リサイクル着物知識館

◆藍染
染色の歴史の中で最も古い染めの手法といわれています。植物染料の一種、藍をくさらせ発酵させ藍玉を作ります。その後、熱を加えて発酵させ、布を染めます。もともとは、麻布につけて染められ、後に木綿に染めれるようになり、木綿と藍染めは切り離せないようなかたちで一緒に発達してきたのです。明治になって、化学染料が作り出されるまで、自然藍によって染められてきました。以後、大半は化学染料によって染められるようになりました。小紋だけではなく、訪問着や付下などにも染められるようになり、植物藍の良さが見直され、藍染めの絹着物が好まれています。
◆ローケツ染
このローケツ染も古くからある、染のひとつです。防染剤として、水ロウや密ロウ(蜂蜜を採った後の巣を煮て溶かし、浮き上がってきた油状のものを冷やし固めてもの)を使い染めるものをいいます。溶かしたロウを筆に含ませて、布地に模様や柄を描き、地染めをしたあと、ロウを取り除くと、その部分が白く残り、模様が出来上がります。独特の美しさがあるため、おしゃれ着物や染め帯など広く人気を博しています。
◆鹿の子絞り
鹿の子絞りとは、一目一目たんねんに布をつまんで絞り、仔鹿の背の斑点に似ていることから、そのように呼ばれています。江戸時代に最も流行したものですが、豪華で華美なため、幕府から禁止令が出されるほどだったそうです。現在では、「帽子絞り」「ばい絞り」「桶絞り」「三浦絞り」「一目絞り」「傘巻絞り」など、約60種類もの技法があります。振袖や羽織などによく使用されています。
◆草木染
この名は、合成染料と区別するためにつけられたものといわれています。草木皮からの染料で糸染めをします。現在の合成染料では、出せない色です。

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