それぞれの家には、古くから目印として使用されていた「家紋」があります。現在、正装用の着物には、家紋を入れて着用することが一般的になっています。そんな家紋について詳しく解説いたします。
〇家紋の数〇
・五つ紋・・礼装の留袖や喪服、男性用の礼装用に用います。背中の中心、両袖の後ろ、両方の胸に付けます。
・三つ紋・・五つ紋より格は下がります。略礼装時の、色留袖や訪問着などに用います。男性の場合、無地の羽織に縫い紋で付け、背中の中心、両袖の後ろに付けます。
・一つ紋・・背中の中心に付け、主に女性用の色無地、黒絵羽に用い、略礼装となります。
〇家紋の手法〇
・染め抜き紋・・布地に白く紋を染めた紋のこと
・書き紋・・筆で書いた紋のこと
・縫い紋・・糸で縫い表された紋のこと
・貼り紋・・布地に染めてある紋を糊で貼り付ける紋のこと
・のぞき紋・・紋の輪郭の一部に紋の一部をのぞかせた紋のこと
・すりこみ紋・・刺繍や染で彩色した紋のこと
・比翼紋・・自分の紋と相手の紋を組み合わせた紋のこと
・石持・・紋を入れる部分を白く丸く染めているもの
■陽紋・・白く染抜く方法のもの
■陰紋・・模様の輪郭を白く線で描いたもの
■葉陰紋・・花を白く染抜き、葉を白の線で表現したもの