■足袋や小物
見えない部分に使われる紐一本にも、美しい着物姿を作る役割があります。小物にもこだわりましょう。
足袋には袷仕立てと単衣仕立てがあり、冬には裏がネルや袷仕立ての暖かいもの、春から初夏、初秋は単衣、真夏は涼しい麻のものなどが重宝します。一年を通してキャラコの足袋でもかまいません。こはぜの数には4枚と5枚がありますが、着物を着慣れていない人は、足首が楽な4枚こはぜの方がおすすめです。
腰紐は、着物や長襦袢の丈を調節し、着崩れしないように縛るためのものです。素材はモスリン(薄い毛織物)、絹などがありますが、モスリン製のものが締りがよく、着物を傷めたり色落ちする心配もなく扱いやすいため、最も多く用いられています。ひも状に縫っていない縦しぼや綸子のものもあります。
帯枕は、帯の結び目が下がったり、形が崩れたりしないように、帯結びの形を奇麗に整えるために使います。帯山が丸いもの、平らなもの、小さいものなどがあり、年齢や帯結びの種類によって選びますが、一般的にお太鼓結びができる細長いものがあれば問題ないでしょう。芯に弾力性があり、背中に馴染むものを選びましょう。
伊達締めは、長襦袢や着物の上に締めて、胸元からウエスト部分を整えるための紐です。締りがよく、体に柔らかく当たるものを選びましょう。素材は絹、ナイロン、モスリンなどがありますが、正絹の博多織のものが胴に巻く部分は固く、両端は結びやすいように柔らかく織られていて使いやすいのでおすすめです。
帯板は、帯がへこんだり、シワができないようにするためのものです。帯を締めるときに、体の前部分にくる帯の間に入れて使います。幅や長さが違うものがありますが、薄手でしっかりしたものを選ぶことが大切です。一般的に袋帯には大き目のものを使うと形よく仕上げることができます。素材は、ボール紙に布を貼ったものや、樹脂で作られたメッシュなどがあります。ゴムベルト付きで帯を締める前につけておくことができるものもあるので、初心者におすすめです。
【色足袋について】
かつては白足袋=フォーマル用で、普段用には色足袋が普通でした。今また色足袋が流行しており、色柄ともに豊富に揃っていますので、趣味の着物に合わせて楽しむのもよいですね。